この風景を守り続けるために、私たちができることがあります

長野県の美ヶ原高原。標高2,000メートル近くに位置するこの高原では、運が良ければ、夜明け前にまるで海のように広がる幻想的な雲海を見ることができます。私がその姿を目にしたのは、2006年8月1日、早朝4時51分。澄みきった空気と静寂の中、目の前に広がる白銀の景色は、まさに自然がくれた奇跡の一瞬でした。
しかし、こうした美しい自然が、今と同じように未来にも残っているとは限りません。気候変動、大気汚染、生物多様性の損失…さまざまな環境問題が進行するなか、私たち一人ひとりが「できることを、少しずつでも」始めることが求められています。
自然の美しさは、当たり前にあるものではない
気候変動による温暖化の影響は、標高の高い山岳地帯にも現れています。平均気温の上昇は、生態系のバランスを崩し、雲海や霧の発生パターンにも変化を及ぼす可能性があります。また、過度な観光開発や、マナーを守らない行動が自然環境に与える影響も無視できません。
SDGs(持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない」世界をつくるための国際的な指針ですが、その中には気候変動への具体的な対策(目標13)**や、**陸の豊かさを守る(目標15)といった、自然環境の保全に直結する目標が含まれています。
自然の美しさを未来に残すことは、私たち人間の暮らしそのものを守ることにもつながります。美ヶ原の雲海は、単なる絶景ではなく、自然との共生の象徴なのです。

私たちにできる小さな一歩
では、何から始めればよいのでしょうか?
それは、日常の選択を少し変えてみることです。
たとえば…
- 旅行時にはマイボトルを持参し、使い捨てプラスチックを減らす
- ゴミは持ち帰る、登山道を外れないなど、自然への敬意をもって行動する
- 環境保全に取り組む地域の商品や宿を選んで応援する
- 近隣の清掃活動や植樹ボランティアに参加してみる
- 家庭や職場で省エネを心がける
こうした行動は、小さくても確実に変化を生み出します。地域の自然を守る意識が広がれば、それはやがて社会全体のサステナビリティへとつながっていきます。
未来の子どもたちに、同じ景色を届けるために
2006年のあの日、目の前に広がっていたあの雲海。
あの感動を、次の世代もまた体験できるようにするためには、今、私たちが動くことが大切です。
SDGsは遠い目標ではなく、私たち一人ひとりの手の中にある道しるべです。
自然の恵みに感謝しながら、未来に美しい景色を残していく。
そのための「少しずつでもできること」から、ぜひ始めてみませんか?