
■ 伝説が息づく、素桜神社の神代桜
長野市にひっそりと佇む素桜神社(すざくらじんじゃ)。
ここには、推定樹齢1,200年といわれるエドヒガンザクラが、静かに、しかし力強く生き続けています。
その名も「神代桜(じんだいざくら)」。国の天然記念物にも指定されている、この桜は、単なる古木ではありません。伝説と歴史をまとった、特別な存在です。
※画像の右下に写っている人の姿と比較するとこの神代桜の大きさが分かります。
■ 素戔嗚尊が残した桜の杖──古の物語
伝えられるところによると、古代、この地を訪れた素戔嗚尊(すさのおのみこと)が、休息の際に持っていた桜の杖を池のほとりに挿しました。
その杖が根づき、時を重ね、現在の神代桜へと成長した——そんな神話のような物語が、今も地域に語り継がれています。
■ 身近に感じる気候変動の影響
支配人がこの桜を訪れたのは2008年4月29日。
当時は、ちょうどゴールデンウィーク頃に満開を迎えていました。
ところが、今では見頃が2週間も早くなっています。
これは、地球温暖化による気温上昇が、身近な自然に与えている影響を如実に表しています。
■ 神代桜が教えてくれる、自然と人の共生
1,200年もの間、この地に根を張り続けた神代桜。
その生命力と、古代から紡がれてきた物語は、私たちに「自然と共に生きること」の大切さを教えてくれます。
そして今、この桜を未来へと引き継ぐことは、単なる自然保護ではなく、人と自然がともに歩んできた歴史を守ることにも繋がるのではないでしょうか。
■ 次世代に手渡したい、日本が誇る風景
気候変動という大きな課題に向き合う時代に、神代桜は私たちに問いかけています。
「この美しい命を、あなたはどう次世代に手渡しますか?」と。
素桜神社の神代桜。
それは、未来の子どもたちにもぜひ見せてあげたい、日本が誇る「次世代に残したい風景」です。