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【次世代に残したい風景】春の光城山──満開の桜と北アルプスの息をのむ絶景

撮影日:2025年4月21日

長野県安曇野市にある光城山(ひかるじょうやま)は、標高911.7メートルの低山でありながら、春になると県内外から多くの登山者や花見客が訪れる桜の名所として知られています。
2025年4月21日、満開を迎えた山頂の桜と、背景にそびえる**北アルプス(飛騨山脈)**の雪景色が織りなす風景は、まさに「息をのむ」ほどの美しさでした。

光城山とは?

光城山は、JR豊科駅からもほど近く、登山口から山頂まで約1時間弱というアクセスの良さから、初心者でも気軽に登れるハイキングスポットとして親しまれています。

春の見どころはなんといっても、登山道に沿って咲き誇る約1500本の桜の並木道。ふもとから山頂にかけて時間差で咲いていくため、登るにつれて徐々に満開の桜が迎えてくれるという、特別な体験ができます。

山頂にたどり着けば、そこにはピンク色の桜越しに広がる真っ白な北アルプスの絶景が。晴天の日には、槍ヶ岳や常念岳などの名峰が一望でき、思わず深呼吸したくなるような、清らかな空気に包まれます。

「胸がすく」風景──自然が与える心のリセット

この日の撮影では、満開の桜の枝越しに北アルプスを眺めながら、多くの方が立ち止まり、スマートフォンやカメラを構えていました。しかし、単に美しさを記録するだけでなく、その風景を**「心で受け止めている」**ようにも見えました。

春という季節は、卒業や入学、転勤や引っ越しなど、生活の節目を迎える方も多く、心が少しざわつく時期でもあります。
そんなとき、この光城山からの風景は、まるで「大丈夫だよ」と言ってくれているかのように、静かに寄り添ってくれる存在です。
自然との対話が、人の心を整えてくれる瞬間でした。

持続可能な観光地としての光城山

観光地として人気が高まる一方で、光城山では環境負荷やオーバーツーリズムへの配慮も求められるようになっています。春のハイシーズンには、駐車場の混雑やマナーの悪化といった課題も指摘されており、地元自治体や登山愛好者による清掃活動や注意喚起が行われています。

「美しい風景は、誰かが守っているから存在する」
このことを忘れずに、訪れる私たち一人ひとりができる行動――
・ゴミを持ち帰る
・登山道を外れない
・早朝や平日の訪問を選ぶ
・SNSでの発信時に過度な場所情報を控える

こうした配慮が、次世代にこの風景を残すための小さな一歩になります。

地域資源としての自然風景の活用

光城山のように、地元住民にとっては身近な山が、県外からの観光客にとっては「わざわざ訪れたい場所」となるケースが増えています。これは、地域資源としての自然風景が、新たな価値を持つようになってきた証拠とも言えるでしょう。

地域としては、こうした資源を守りつつ、来訪者に「ここでしか味わえない体験価値」を提供することが求められます。
たとえば、

  • 地元ガイドによる桜と山の自然解説ツアー
  • 地産地消の弁当と組み合わせたピクニック体験
  • 光城山をモチーフにしたクラフト体験や写真展
    など、地域住民の雇用や文化継承につながる観光企画を組み込むことで、持続可能な地域づくりの一翼を担うことができます。

最後に:この景色を、未来の子どもたちへ

桜の満開は数日。雪の残るアルプスとの共演も、ほんのわずかな期間しか見られません。
しかし、その一瞬の美しさが、心に深く刻まれることで、私たちは「また来年も見に行こう」と思えるのです。

この風景が、50年後、100年後も変わらずそこにあるために。
自然をただ楽しむのではなく、共に生きるという視点で向き合うことが、いま私たちにできるサステナブルな選択です。

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